老舗ベンチャーの実践についてお話ししました

昨日は、中小企業の経営に関する2つの研究会にお声掛けをいただき、「後継者難を克服するーー老舗ベンチャーの発想と実践」と題してお話をさせていただきました。

 

「老舗企業研究会」http://www.shiniseken.com/kenkyuu/index.html

ならびに、一般社団法人・東京都中小企業診断士協会の「ファミリービジネス研究会」http://www.t-smeca.com/lab/cat62/cat128/

の合同の研究会でした。

 

これまでに、専門の大学教授や老舗企業の経営者など、錚々たる顔ぶれの講師を迎えられ、既に110回以上も開催されてこられたと伺いました。

 

当日は、ファミリービジネス研究では日本の第一人者で、中国など海外でも広く教鞭をとっておられる後藤俊夫先生(日本経済大学大学院特任教授、前経営学部長)をはじめとする、この分野の専門家ばかりの先生方が聴衆でした。

 

そこで、下手な演繹化をするよりも、私が当事者として事業継承をした際、およびそれ以降、事業家として実践した具体的内容をお話いたしました。

 

何世代も続く老舗には、スタートアップ企業では到底得られない「世の中からの信用」という、貴重な資産があります。それを基盤として、新しい時代のさらに先を読んだ積極果敢な成長戦略を企画して実践していくベンチャー精神が組み合わされば、両者の「いいとこどり」になります。

 

この「老舗ベンチャー」の用語は、私が西暦2000年に在来型産業に属する中小企業のロールアップ型事業統合を行う企業を立ち上げた際に、エクイティー調達のためのロードショー資料で標榜した概念です。

 

これは私の造語で、それ以降その企業のホームページ等に大きく掲げていたほか、東京商工会議所の審議会付属の研究会に呼ばれて、この自社の取り組みをお話しした際にも強調しましたし、Entrepreneur Of the Year 2001 の準決勝に進出した際にも、プレゼンテーション大会にて壇上から申し上げました。

http://www.caravan.net/246c/eoy/eoyweb/entre.htm

 

その後、お取引先でもあった某社の女性後継社長が、この「老舗ベンチャー」を標榜され始めるに至り、私の考えに共感してくださる経営者の方が出てきたことに、意を強くした覚えがあります。

 

当事者である中小企業経営者が、「面白おかしく、楽しそうに」日々の事業をやっていることが、後継者になるかもしれない候補者に対して、無言の教えになるのではないでしょうか。

 

そのうえで、少なくとも一流大企業の給与所得者よりも経済的に恵まれる必要があります。要するに「儲ける」ことです。

 

日本社会では、「儲ける」=「悪徳」のイメージがありますが、まったくの間違いです。

 

「額に汗する」「清貧」を賛美する人に限って、自分の生活といえばそれとは真逆であることが多いのは皮肉です。

 

そもそも、企業や事業は雇用を生み出し、収益を上げ、納税することで社会に貢献するのです。納税額は、一見すると数値化が困難な社会貢献の概念を「見える化」する指標といえます。

 

大いに儲けて、大いに社会に貢献し、大いに自分自身も、家族も、従業員も、その家族も、みんなが楽しく生きることができれば、幸せなことです。