OCNのブランド名でネットサービスを展開しているNTTコミュニケーションズから連絡が来ました。
来年2月をもって、ダイヤルアップ接続のサービスを停止するそうです。
「まだあったんだ!」というのが正直な感想でしょうね、おおかたの人にとっては。
これでまたひとつ、産業遺構入りを目撃できました。
日本中の観光地が世界遺産登録を目指して血眼になっているのですが、産業遺構登録も、歴史の1頁といえなくもないわけで、往年の名選手が殿堂入りを果たしたのと同じくらい感慨深いものがあります。
産業遺構なので、いちおう発信者からの通知書はそのままの形で貼って残すことにします。
2021年6月
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【重要】「OCN ダイヤルアップ接続サービス」提供終了のお知らせ
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日頃より、OCNサービスをご利用いただきまして、
誠にありがとうございます。
昨今のインターネット接続環境は光ファイバーなどのブロードバンドが主流と
なり、ダイヤルアップによるインターネット接続の利用者様は限りなく減少し
ております。
こうした時代の流れを受け、弊社におきましても、 2022年2月28日を
もちましてOCN ダイヤルアップ接続サービスの提供を終了させていただき
ますのでご案内申し上げます。ご利用中のお客さまには、大変ご迷惑をおかけ
しますことを深くお詫び申し上げます。
2022年3月1日以降は、 OCN ダイヤルアップ接続サービスでのインタ
ーネット接続がご利用出来なくなります。
OCN接続サービスとして、ブロードバンドまたはモバイルプランをご契約
いただいてるお客さまについても、該当のアクセスポイントはご利用いただけ
なくなります。
今後とも、OCNを御愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
【サービス提供終了日】
2022年2月28日
詳細はこちらをご覧ください。
⇒ https://www.ntt.com/personal/services/internet/other/dial.html
OCN ダイヤルアップ接続サービスの提供終了後もご契約のプランはそのまま
ご利用いただけるため、OCN ダイヤルアップ接続サービスの提供終了に伴う
お手続きは不要です。
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◆ご不明な点などのお問い合わせ先◆
https://support.ntt.com/ocn/support/pid2900001e4l
受付時間 9:00から17:00(土日祝日、年末年始を除く)
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発行:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
東京都千代田区大手町2-3-1
(C) NTT Communications Corporation All Rights Reserved.
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産業遺構の貼り付けは以上です。
なんでここまで感慨深くしているかと申しますと、四半世紀前にこの当時最新技術だったダイヤルアップ接続を用いて、地酒やワインのネットショップを私が開設していたからです。
楽天の前身企業MDMの創業は1997年、アマゾンの日本ドメイン開設は2000年ですから、大手ネットモールという概念自体がなかったころの話です。
ネットショップの集合体らしきものは既にあって、当時の一般名詞は「仮想商店街」といいました。上空からリアルっぽい商店街を鳥瞰するような、3Ⅾ的な画面がどこの仮想商店街でも採用されていました。
そのうちの最古参級だった野村総研の「電活クラブ」に加盟しました。まだ、10軒か20軒くらいしか出ていなかった覚えがあります。
当時のことについて、野村総研の人が語っているのを見つけました。
“ NRIはその前年(引用註:1995年)、インターネット仮想商店街「電活クラブ」を開始し、現在の大手ネットショッピングモールがまだ登場していない当時から、カード決済処理に暗号通信プロトコルであるSSLを日本で最初に実装して話題になっていました。”
https://www.nri.com/jp/people/pickup/odashima
当時はNTTが民営化したばかりで、三鷹市でINSの実験をしていました。
INSは「一体なにする(Ittai Nani Suru)」と揶揄されていました。
街角に「キャプテン」と称する端末を設置して、「いつでも、どこでも、情報サービスが受けられる」という触れ込みでした。
家ではダメで、駅前の端末機に行かないとネットにつながらないのに、「いつでも、どこでも」というところが、言ってる本人もわかっていない新技術の滑稽さを物語っておりました。